ただの風邪。

音楽のことを中心にいろいろと書いています。

日記 2018年12月20日(DALLJUB STEP CLUB、ARKHAM、ヤバT、Confidence Man)

 バカテクのバンドがダブステップやトラップ、フットワークを完全に身体化した演奏にナンセンスなラップをのせる、という凄まじい個性を誇るDALLJUB STEP CLUBの三枚目のアルバム(EP?)。演奏はすげぇんだけど、「K.A.A.F.」ってタイトルはどういう意味と思ったら、女の人がよく着ている「肩に穴の開いた服」ってあれなんなんだろうね、っていう曲だったりして、なんでそこまで馬鹿みたいなことをこのビートにのせようと思うんだよ、とつっこみたくなる。ことばあそびの切れ味もトピックの選び方も面白い。ひとつ前のアルバムだとピザとかカレーとか食い物の話だけとか。ライヴ見たいね。

 高校生ラップ選手権出場でも知られるLIL J擁するARKHAM。ゴシック寄りのエモラップでここまで直球にストーリーを背負ってスタイルも一貫してるラッパーが……! とビビる気迫。1分半とかでざっと終わる曲も多く、だからこそなんかめっちゃ怖い。ドラッグがどう、ミソジニーがどう、暴力がどう、というより単純にそれは怖すぎる、やめてくれ、みたいな……。歌舞伎町を歩くホスト狂いを描いた「My Melody Gang」は悪趣味な笑いと共にほんとにそういう風景が思い浮かんできて「いーっ」てなる。1分19秒ですっと終わってしまうのも絶妙に後味が悪い……。ジャケのふざけ方やタイトルもコンシャスというよりうかつに触れるとなにされるかわかんない感じだし、USの若い人がエモラップに惹かれるのってこういうヤバさに吸い寄せられるからなんだろなあ、みたいな。なんかまた聴いちゃいそう。聴いちゃうんだろうな。あー!

 ヤバT、なんだかんだMV見たことは結構あったりしたんだけどちゃんと聴いてみると結構いいんだな……。演奏は手堅い邦ロック。歌詞も韻の踏み方とか言葉選びがめっちゃ上手いし、ユーモラスだけど「そのセンスはないでしょ」みたいな露悪性はなくて(この律儀さがNHKとかに好かれる理由なんだろうが)、それでいてこういうお遊びのなかに実は反骨精神というか、「このままでいいのかおれらは」っていう視点が入っているのがいい。かつ、それがバンドとしての上昇志向とか成り上がり精神じゃなくて、「おれら」のなかに「お前ら」、同年代のリスナーも入ってるんだよね。楽屋落ちやあるあるネタ、ナンセンスでリスナーを惹きつけたうえで伝えたいことを伝える、というのはわかるし、今どきは効果的なエンカレッジメントなのかも。っていうかスキルすごい。世が世ならどストレートなポップスでマスに剛速球投げててもおかしくないのかも。

 これってブログで紹介してたっけ? 90年代のビッグビートゼロ年代のエレクトロクラッシュの亡霊が自分の言った冗談で爆笑しながらこっちに近づいてくるみたいな異様さ。なぜいまこのサウンドが?! しかし底抜けにユーモラスでポップな楽曲群は無視し難い。年間ベストのラインナップに挙げてるメディアも結構あったはず。SwitchがやったChaka Kahnのシングルもそうだったけど、このくらいのビッグビート感が徐々に復権している感。EDMの揺り戻しかなあ? 関係ないか。

 長谷川白紙『草木萌動』のフィジカルがやっと届く。タワレコ特典の弾き語りがめちょ良い。声のピッチをちょっとずらしてぐっと持ち上げたりする流れや、ふっと力が抜けていったり入っていったりするところがセクシーで照れた。

 高岡謙太郎さんが編集したFOREST LIMITの名物パーティK/A/T/O MASSACREのZINE、編集のお手伝いをしました。これめっちゃいいZINEで、寄稿やインタビューの載った冊子も小さなフォトZINEになってる方も読み応え・見応えがある。アンダーグラウンドなシーンで意志を持ってパーティをやりつづけること、そこから生まれる熱、むちゃくちゃいいですよ。以下でまだ買えるのかな。

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