ただの風邪。

音楽のことを中心にいろいろと書いています。

日記 2018年11月8日(フレディ・マーキュリーとクラウス・ノミの距離)

 午前中は図書館に行って本を返却し、なにか借りてこようと思ったけど積んでる本が結構あるのを思い出してすごすご引き返した。スーパー行ったらカレーメシが安売りになっていて、思わず「ポジパ……!」とこころのなかで叫びつつ買って食ってる(いまは昼)。

 映画『ボヘミアン・ラプソディ』が話題だけど、Queenってどういうふうに受け止めたらいいのか未だによくわからんバンドだ。どこまで冗談なのか、あのキッチュな味わいはそのままキッチュと受け止めていいのか、それとも大マジのマジなのか……。「ロックオペラだ!」って言ってほんとにオペラ的な(イタリア語や発声など)曲をつくるのってぶっちぎりで狂ってないとできないよね。フレディ・マーキュリークラウス・ノミの距離とは……。

きょうはあんまり音楽聴かなかった。なぜならつくっていたから。2曲くらいできた。Renoiseでほぼサンプルとハードシンセのみでつくるのだが、シンセを複数立ち上げるのが面倒なのでReface CSだけで音作りをし、音色とフレーズを決めたらすぐ録音して次のパートに進んでしまう。こういうつくりかたをするとフレーズごとの決断がめちゃ早くなってちゃかちゃかと曲らしきものはできる。BPM138くらいで決めうちして、ハーフステップとかガラージっぽいのをすぱすぱと。ああ楽しい……。

 TLでおすすめされている方がいたので美空ひばりのリズム歌謡コンピを聴く。リズム歌謡というとなんか特殊なジャンルのようだが、戦後の歌謡曲において「リズム」とは「外来のジャンル」の総称くらいと思って差し支えないだろう。ブルースだとかルンバ、タンゴ、マンボ、ロカビリー、とにかくいろんなリズム=ジャンルが押し寄せてきて、美空ひばりも山ほどそういうリズム歌謡を歌った。あとリズムものといったら小林旭だろうか? って要するに昭和の人気流行歌手というのはあのリズムこのリズムをつぎつぎ歌うものだったわけだ。新しいリズムをつくれば売れるというので外来のものばかりでなく「ドドンパ」という国産リズム歌謡も生まれたのはご存知の方も多いだろう、ひばりもその名も「ひばりのドドンパ」を歌っている。

 リズム歌謡に限らず社交ダンスなんかでもそうだと思うけど、音楽のジャンルというのはなによりリズムやそれに伴うステップで認識されてきた、というのはやっぱり面白い。固有の旋法や特徴的なケーデンス、あるいはサウンド(楽器の編成)よりもまず「リズム」が「ジャンル」の代名詞になるんだよなあ。なにを当たり前なことを、と言われるかもしれないけど、ことリズムやグルーヴに関心を持って音楽を聴くようになるとなんだか不思議なんだよな。

 とまれこうして美空ひばりのリズム歌謡を聴いてみると抜群にリズムのセンスがいいのがわかる。裏拍にも華麗に乗りこなすし、フロウもタイト。でけぇ音で聴きたいな。

 ころころと転がるように展開するキュートなポップスに、巧みでシアトリカルな歌いこなしがある種戸川純みたいな毒を感じさせるのが中毒性高い。気にしつつもなんとなく敬遠してあんまりちゃんと聴いたことなかったんだけど、思ったほどえぐみはなくて、これはいいな。『女優姉妹』というタイトルの付け方がめちゃうまいっつーか、「女優」という言葉で既に歌い手のペルソナの虚構性を匂わせつつ、そこに「姉妹」という複数性を付け加えたうえ、「なまの私」と「女優」と「姉(妹)」が重なり合うことで虚構性が倍増していく。「私」の切実さは複数の「役割(=キャラクター、家族内の位置)」たちのなかに散っていってしまう。

 このラッパー?自体は正直知らんのだけど、香港のYoungQueenzがフィーチャーされている。Rap of China勢よりもエンタメ性が薄くてむしろナードっぽい感じとかデーモンAstari周辺のエモラップに近い。

 Rap of China勢だとLEXIE好きなんすよ。新しいビデオがきていたね

 Roseliaに新メンバー、明坂聡美さんに代わってキーボードを担当するのは志崎樺音さんで、洗足学園音楽大学のヴォーカル科を出ているらしい。声優ではなくてアーティストのようだ(ポピパの大塚紗英さんも声優プロパーではなくミュージシャン出身)。いいんだけどメンバーの交代が続くとやっぱこういうプロジェクトは負担がでかいのかなあと心配になってしまう。ポピパの伊藤彩沙さんもイベント出演をキャンセルしたりしてるし。若手声優が体調を崩したり突然引退したりという話がこれ以上続いてほしくはないけれど、マジで最近の声優さんて男女問わず仕事がめちゃ多様化してるから難しいのか……。

 中村佳穂さんの『AINOU』を誰の何に例えるか選手権がTLを賑わせている(そう名付けているのはおれだけだろうが)。歌唱法という点でおれは崎山蒼志さんを挙げたけど、Slapp Happy/Henry Cowみたいなレコメン系に例える声もあればSalyu x Salyuを挙げる声もあり、はたまた大貫妙子矢野顕子か、あるいはJustin Vernonか…… みたいに、アヴァンギャルドを消化したポップスをやってる人が片っ端から言及される事態に。個人的には矢野顕子に結構腑に落ちるところがあった、音楽的な洗練のなかにほのかな土臭さ、得体の知れない才能を感じるという点で。もちろん『AINOU』制作にあたっての文脈的にはJames Blakeの影響という点でBon Iverみたいなバンドと比べることもできるんだろうし、かといってロックやR&B、ソウルといったアメリカ的な音楽とも一線を画す感じにレコメン系みたいな印象をうけても不思議ではない。面白い作品だ。

 喉がかなりデリケートな状態になっており、いろいろと不安が襲ってくる。昼下がりにめっちゃ喉痛くなって体調もおぼつかなかったので、親のマヌカハニーをこっそり拝借してひとなめし、マスクしてしばらく寝た。いまんとこ大丈夫そうだけど、週末は予定がつまっている。仙台でROTH BART BARON、山形でデレマスの6thライビュ。いろいろと仕事の話も来ているけれどひとまずは急ぎのものは多くないし、変に動かずゆっくりしておこう……。