ただの風邪。

音楽のことを中心にいろいろと書いています。

日記 2018年11月6日(韻および旋律の機能、そのほか)

 宇多田ヒカルの「Too Proud」にアジア人ラッパー3人をフィーチャーしたリミックスが登場。意欲的で面白い企画だと思う一方でなんか冷めた目で見てしまう。なんだろうこの感じ。

 TWICE『YES or YES』、順当にできている、という感想になるなあ。TWICEにしては珍しくFuture BassっぽいM5「SUNSET」にちょっと「おっ」と思うものの、そこはもうちょいひねったら? みたいなことをところどころに感じる。それがポップということなのかもしれないが。

 dodo新曲。圧倒的な才能に震える。dodoのフィルターを通すと日常の孤独が不穏で中毒性の高いラップに結晶化するのが驚異的すぎる。

 気づいたらBillie Eilishの「when the party's over」のメロディを口ずさんでいる…… なんでだ?

 ぼくりりについてはいろいろと言いたいことがあるものの(やっぱあの一連のSNSでの振る舞いは寒いと思う)、ぼくりりとしてのキャリアを終えるにあたって楽曲にぐっと才気がみなぎってるのは事実だと思うなあ。この曲もさりげないグルーヴチェンジやちょっとポリリズムっぽい仕掛け(シャッフルしてるのにスクエアなハットがさりげなくかぶさってる)とかちゃんと「いまエッジーなJ-POP」を消化してる感があるし。そこは終わるところじゃなくて始まるところだよ、と思う。

 gugudanの新曲はアメリカを中心としたポップスのモードに完全にのっかっていて、こういう感じを「K-POPらしい」と思う人もここ数年のリスナーのなかには多いのではないかと思われる。最先端のポップスをアジア人がハイクオリティなパフォーマンス込みでやるという。こういうのを基準におくと、TWICEあたりのトレンドとの距離感がつかみやすい。

 VTuberからも水星カヴァーが出てきた。もはや2010年代のスタンダード入りだな。

 チャン・ギハと顔たちのラストアルバム『mono』、タイトルどおりモノラルでミックスされていてストレンジな味にさらに拍車が。ニューウェーヴ的なサウンドとアジアの香りをキワモノとしてではなくスマートに鳴らして人気を博した韓国インディシーンの立役者でやはり解散は惜しい。アジアっぽい泥臭さをファンクに変換してこんなにかっこよかったの他に浮かばないぜ……。

 MC Modeloはルックスもヤバいし声もキャラ立ちが凄いので無茶苦茶インパクト強い。

 あみ姉……!(年下だけど)AKB時代の佐藤亜美菜さんをまったく知らないので当時の話をしているのを聞いていると「ほぉ…」となるのだけれど、以前トーフと話したら彼は逆にAKB時代の亜美菜さんしか知らなくて声優やってるのも知らんかったらしい。足して2で割るとちょうどいいのに。

 ロザリンド・クラウス『近代彫刻のパッサージュ』が2020年を目処に邦訳刊行という話、これは買うだろうな。2020年という年号に関する数少ない希望である。『オリジナリティと反復』の復刊はないのかとも思うが。

 これ昔は同じこと(いきなり歌を歌いだすとかありえない)を思ってたけど、そもそも映画で言えばこんな角度からこんなふうに人の顔を見ない、とか、こんな状況をこうやって目撃することはありえない、とか言えるし、演劇で言えば目の前に存在する人を目の前の人としてではなくある「役柄」として見る、ということ自体不自然なわけで、物語の途中で歌を歌いだすなんていうのは些細なことのように最近では思っている。むしろ韻律や旋律が言葉を日常から非日常へ、何気ない流れから特別な点へと変化させるその効果を思えば、「劇中の登場人物の行動」としては必然性を欠いていたとしても、作劇上の必然性は十分に存在する、と言える。

 ダウンロードや配信には思い出がついてこないみたいなことを言う人、音楽を聴くという経験と音楽を買う/所有するという経験をごっちゃにしてるだけでしょ、と思う。おれにとって「音楽の記憶」というと「どこで買ったか」とか「どんなメディアで買ったか」じゃなくて「どこで聴いたか」とか「いつ聴いたか」のほうが圧倒的に多いかなあ。たとえばフィッシュマンズは高校に通う電車の中で聴いたなーとか、ナンバーガールを聴くとなんでか夜行バスで東京に行くところを思い出すなーとか。さらに言えば、場所や時間ではなくて特定の感情とか手触りがぼんやりと音と結びついている、くらいのことのほうが多いかもしれない。どこで買ったかだのどんなモノに入ってたかだのなんて音楽にまつわる数ある記憶の一部分でしかないのになんでそんなに特権的な立場を与えようとするのかよくわからん。レコード以前の人間ならば「自分で弾いたことや歌ったことのない音楽は記憶に残らないよね」と言ったかもしれない。その程度のことだよ。

 楽曲分析をしようとしてもコードの耳コピがほんとに苦手なのでぐぬぬとなってしまう(米津玄師のときはメロディとサウンドしかやらなかった)。逐一アナライズをしたいわけではなくて、作家の手癖のエビデンスとして進行を集めたいだけなので別にバンドスコアでもなんでも買えばいいのだが自分でできたほうがいいよねぇ。はー。

 某若手気鋭SSWが「Hey Ya!」のMVでハンドクラップするAndre 3000のGIF動画をツイートしたら「Black Eyed Peasですね!」ってリプが飛んでいて、惜しくはないが、惜しい! と思った。

 ヤバいくらい体調が悪くてまだまだ寝まくってるんだけどつらすぎてずっと推している女性声優にどんなファッションを決めてほしいかをずっと考えていた。もう駄目なのかもしれない。

via GIFMAGAZINE

 はい。