ただの風邪。

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Richard D. James(Aphex Twin)とRob Mitchel(Warp Records創業者)のちょっといい話

aphextwin.warp.net

 先日、Aphex TwinことRichard D. Jamesが唐突に自身のほぼ全カタログを網羅する配信サイトをローンチして、もう未発表曲なんかも大盤振る舞いだったものだから各地で絶叫が巻き起こった。いやもう…… 盛りだくさんすぎて食べきれないよ……

 で、きょうもちらっとのぞいてみたら、《2 Mixes not for Cash》の項目にRichardからの解説が寄せられていた。もともとこのリリースは《26 Mixes for Cash》というリミックス集に収められていたもので、おそらく権利関係上このサイトにはセルフ・リミックス以外の楽曲は載せられなかったのだろう。で、その《26 Mixes for Cash》という人を食ったアルバム名の由来をRichardが明かしているのだ。

オーケー、古くからの質問についてはっきりさせておくことができてとてもうれしいと思う。このアルバムは実際には故・Rob Mitchell〔Warp Recordsの創業者のひとり、2001年に癌で他界〕が《26 remixes for cash》と名付けたものだ。僕がリミックスのギャラの支払いをどう受け取っていたかを彼に教えたら、こんな名前にするべきじゃないかって言われたんだ。
このリリースまでにやったリミックスでは、代理人かアーティスト本人とロンドンの中心部で会って現金でギャラを支払って貰っていたんだ、そうすれば誰にも僕の個人情報や住所が漏れないから。
ついでに言うと、Robは〔Polygon Window名義でリリースした〕《Surfing on Sine Waves》という名前を思いついた人でもあって、僕の知ってるコーンウォールの連中には丘サーファー1が多くて、ああいうのとつるんでたくないんだよね、って話をしたあとのことだった。

 つまり、ほんとにキャッシュでギャラをもらっていたから《~for Cash》だ、というわけ。単に金のためにやったリミックス集、ってだけの意味じゃなかったんだな。リミックス集がリリースされたのはRobの没後だから、この名前をつけるというのはある種の追悼たったのかもしれない。

 また、《Surfing on Sine Waves》というのはRichardのリリースのなかでは特別に詩的であり映像的なタイトルで印象的だったのだけど、これもRobが命名していたのか。命名の経緯は皮肉めいた笑いを呼ぶけれど、ちょっといい話だな、と思った。

26 Mixes for Cash

26 Mixes for Cash

Surfing on Sine Waves (WARPCD7)

Surfing on Sine Waves (WARPCD7)


  1. 原文ではposer surfersなので「サーファー気取り」とか「気取ったサーファー」とか訳したほうがよかったかも。でも面白いのでそのままにしときます。