ただの風邪。

音楽のことを中心にいろいろと書いています。

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レビュー(音楽) レビュー(本) エッセイ、考えごと

音楽

ローファイ・ヒップホップはメインストリームに浮上するのか?――joji “In Tongues”

インターネット発のミーム・ミュージックといえばVaporwaveを挙げる人は多いだろうと思う。が、Vaporwaveが一種のカルト的なステータスをほしいままにしている一方で、地味に勢力を伸ばしてきたミーム・ミュージックがある。ローファイ・ヒップホップだ。ロ…

ヒプノシスマイクはフリースタイルダンジョンに次ぐ起爆剤となるか?

hypnosismic.com ここ数年、メディア上で日本語ラップに高い注目が集まっている。「高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」がお茶の間を賑わせると同時に、数々の注目のリリースがヘッズを沸かせる今日このごろ、おたく向けコンテンツにもその熱気…

Four Tetが新作を制作した部屋と全機材をなにげなくツイート公開、即刻大喜利へ

www.factmag.com This is where I recorded and mixed the album and all the gear I used pic.twitter.com/ncwoleHwYs— Four Tet (@FourTet) 2017年10月25日 新作《New Energy》の評判も上々のFour Tetがなにげないツイートで新作の制作環境を公開。ラップ…

Against the Clock史上最速、Zaytovenが4分でトラックを作り終えて余った時間でフリースタイル

www.factmag.com FACT Magの人気コンテンツ“Against the Clock”は、話題のプロデューサーやトラックメイカーが10分以内で一曲を仕上げるタイムアタック動画だ。多種多様な制作風景を見ることができるのが楽しくて、欠かさずチェックしている人も多いだろう。…

いかにして三連フロウはラップ・ミュージックを席巻したか――Vox MediaのEarwormシリーズが面白い

アメリカのニュースサイトVoxは、数分間で見られる手軽なコンテンツをYouTubeを通じてたくさん配信している。ノリはVice……というよりはBuzzfeedみたいな感じのライトなものなのだけれど、そこで最近始まった音楽に関するシリーズが結構面白い。最新のエピソ…

プロデューサーがサンプルパックをリリースする理由:「聴き手」ではなく「作り手」向けのビジネスあれこれ

ヒップホップを中心とする音楽業界では、表に立つラッパーやシンガーといったパフォーマー以上に、プロデューサー(=トラックメイカー)が重要なキーを握ることがしばしばある。しかし、彼らに必ずしも正当な評価が伴っているわけではない。たしかにアメリ…

業界随一の美肌男ことPharrell、すべすべ肌の秘訣は「角質取り」と「水分補給」

www.thefader.com 言われてみればたしかにPharrellって顔つるっつるだな。本人曰く、 僕は狂ったみたいに角質取りをするんだ。角質取りをしてたくさん水を飲むのがいいよ。僕にとって大事なのはただ角質取りをすること、バケモノみたいにね。[肌には]死ん…

「自分は政治の対象になっていない」とはどういうことか。

noahs-ark.click ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり)のオウンドメディア、Noah’s Arkに掲載されたぼくりり×家入一真の対談を読んだ。評価経済の普及はどのような未来をもたらすか? についてはまあ諸説紛々あり、個人的にそこについて論じようとい…

若尾裕『サステナブル・ミュージック これからの持続可能な音楽のあり方』(アルテス・パブリッシング、2017)

サステナブル・ミュージック これからの持続可能な音楽のあり方作者: 若尾裕,桑原紗織出版社/メーカー: アルテスパブリッシング発売日: 2017/06/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 今年の6月に公開された、元KORGの高橋達也氏へ…

SNS以降のインターネットで、音楽を通じた社会貢献は可能か?

Mountain Moves by Deerhoof アメリカのインディー・ロック・バンド、Deerhoofの新作が、正式な発売に先駆けてBandcamp上で発表された。《Mountain Moves》と題されたこの作品からは既にStereolabのレティシアが参加したトラックが先行公開されて話題を呼ん…

Behringer、Roland SH-01A発表の裏で自社のSH-101クローンをさりげなくリークする

www.synthtopia.com Rolandが808の日に合わせてTR-808、SH-101のBoutiqueラインでの復刻、さらにAIRAラインへSP-404が加わるという発表をして沸かせた裏で、Behringerが「待ってました」とばかりに自社製SH-101クローン、その名もMS-101の画像をリークしてい…

Diplo、Rihannaに曲を一蹴された思い出を語る(※本題はそこではない)

Charli XCXの“Boys”MVで犬と戯れるDiploの図 www.gq.com Coachellaに湧くアメリカを尻目にアフリカ・ツアーを行ったDiplo。彼に密着したルポ+インタヴュー記事が面白い。いまアフリカはたとえば南アフリカのハウス・ミュージック“Gqom”であったり、あるいは…

ファイル共有サーヴィスのWeTransferがSoundCloud元従業員に資金提供の申し出

pigeonsandplanes.com SoundCloud危機もひとまず様子見という段階に入ったところに面白いニュース。ファイル共有サーヴィスを提供するWeTransferが、この7月に解雇されたSoundCloudの従業員に向けて、1万ドル(約110万円)の資金提供を申し出た。SoundCloud…

世界各国は音楽にどれだけ投資しているのか? Pitchforkのリアルなレポート

pitchfork.com ひと月ほど前のPitchforkの記事。世界各国の政府やNPOがどれだけ音楽に――とりわけポップ・ミュージックに――投資しているのかを追ったドキュメントで、チャートやメディアを賑わすアーティストたちがどれだけ国やNPOの助成に助けられてきたかを…

「インターネットの王様は継続的なコンテンツだ」――密かに帝国を築くアーティストたちと、Jack Conteの起業家精神に学ぶ

記事後半で取り上げるPomplamoose。見目麗しいNataly Dawnと髭面のナイスガイJack Conteの二人組。 caughtacold.hatenablog.com 昨日のエントリ(上掲)に引き続いて、インターネットと音楽の込み入った関係について。昨日のエントリでは、SoundCloudの経営…

サンクラ危機と人気YouTubeチャンネルから見る、インターネットと音楽の複雑で明暗入り交じる現状と未来

沈みゆくSoundCloud、この秋が正念場 SoundCloudがいよいよヤバいと目下の話題だ。 jp.techcrunch.com 一年前にも身売りの噂が立ち、経営に暗雲が立ち込めていたSoundcloud。いったんは明るい兆しが見えてきていたような気がしていたのだけれど、ふと調べて…

BLACKPINKの新曲“As If It's Your Last”の図太さに度肝を抜かれる

YGエンタテインメントの“ガールクラッシュ”系4人組アイドルグループ、BLACKPINKの新曲が発表されたのだけれど、そのストレンジ具合に度肝を抜かれた。EDM調の攻撃的なビートに乗せたヴァースから一転、どこかアジア歌謡的な雰囲気のブリッジを挟んでやってく…

Genius APIから特定のアーティストの楽曲一覧及び各メタデータを取得する(with Python)

はじめに RapGeniusとして開始した歌詞共有サイトGenius.comは、ラップ・ミュージックのリリックのみならずアノテーション(注釈)を共有しようとするヘッズたちの人気を集め、いつしかラップ以外のあらゆる音楽、いやあらゆるコンテンツ――動画、スピーチ、…

「音楽が好き」とはどういうことか。心震わす4つの「音楽文.com」入賞作

ロッキンオンが主催する「音楽文.com」に掲載されている作品から、とりわけ胸に響いた入賞作4本をピックアップ。ちょっとナメてたけどマジでヤバいサイトだ、これは。 音楽文.comってなんだ 革命への第一歩。UVERworld KING’S PARADE 2017 ――女から見た男祭…

ポップ・ミュージックの持続と反復――The McGill Billboard Projectのデータで遊んでみた

caughtacold.hatenablog.com 先日こんな記事を書いて、データで遊ぶのは楽しいかも、とおもっていたところ、同記事でも取り上げている論文経由で“The McGill Billboard Project”というのを知った。1958年から1991年のビルボードチャートからランダムにサンプ…

MachinedrumことTravis Stewartの仕事術がおもしろい、マジ健康そのもの

MachinedrumことTravis Stewart近影 MachinedrumことTravis Stewartと言えば、2000年代初頭にはエレクトロニカにヒップホップ的アプローチを持ち込んだ立役者の一人であり、また2000年代後半に至ってはよりダンサブルな音作りに傾倒し、著しく多様化し続ける…

「知性」と「道具」のあわいに――2つの「クリエイティヴなAI」プロジェクトについて

pitchfork.com Pitchforkが先日こんな記事を載せていた。曰く、「アンドロイドはエレキギターの夢を見るか? 音楽AIの未来を探る」。このタイトルを見て、ひとは似たような洒落を思いついてしまうものだな、と驚きつつ苦笑してしまった。昨年に僕が書いた音…

デジタル配信はポップ・ミュージックの構造を変えたかって? …まあ、ある程度はそうだろうね。

(6月16日若干改稿) wired.jp ひとは自分がいままさに経験している変化というものを過大に評価する傾向があるように思う。この記事を書いた人もそうしたバイアスにかかっているのではないかと思う。いわく、 インターネットとデジタルテクノロジーは、音楽…

都市と対峙する、あるいはカルピスの甘さ――小沢健二「流動体について」について(今更)

(6月3日改題) (6月16日注記:加筆・修正・改題した文章を音楽文.comに投稿しました↓ 都市と実存、あるいはカルピスの甘さ – 小沢健二“流動体について”について 論旨は一切変わっていませんが、言葉が足りなかった部分を足したりしているので、よろしけれ…

“post-truth”に反対する唯一の手段は。――tofubeats《FANTASY CLUB》をめぐって(B面)

【Amazon.co.jp限定】FANTASY CLUB(未発売音源CD付き)アーティスト: tofubeats出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン発売日: 2017/05/24メディア: CDこの商品を含むブログを見る 以下の文は、特に何を言われたわけでもなく、先のレヴューに加えて…

青春を脱ぎ捨てて、イノセンスから遠く離れて――tofubeats《FANTASY CLUB》をめぐって(A面)

【Amazon.co.jp限定】FANTASY CLUB(未発売音源CD付き)アーティスト: tofubeats出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン発売日: 2017/05/24メディア: CDこの商品を含むブログを見る 以下の文は、tofubeatsからちょっとした小文を依頼されて書いた、…

Corneliusの新曲、“あなたがいるなら”は現時点で彼の最高傑作だと思う

いいからいっぺん聴いて。とひとこと言って終わらせてしまいたい。が、思ったことがいくらかあるので書く。ちなみに坂本慎太郎の詞についても触れるべきかと思ったけれど、ちょっとそこまで手を広げるのは手に余るために、詞そのものの良さというか凄さには…

Abletonの教育コンテンツ、“Learning Music”がすごい

learningmusic.ableton.com FactMagから。Abletonが音楽制作の基礎を学べる“Learning Music”というコンテンツをローンチしていて、これがかなりよくできている。最初はAbleton Liveのセッションビューを模したようなかんたんなフレーズシーケンサーで遊んで…

Cashmere Cat 《9》(2017)

Cashmere Catはいまをきらめくダンスミュージックの新鋭で、個人的にはジャージークラブみたいな享楽的ダンス・ミュージックとかトラップみたいなベース・ミュージックの要素をとびきりポップに聴かせるプロデューサーという感じの認識だった。それで、この…

imdkm / mini mix 27, April 2017

www.mediafire.com また短いミックスを録った。今回は何度も録りなおして最終的にどうしてもというところをちょっと編集してズルしてしまった… いや、ズルもなにもないんだけど。20分しかないのに前半ロウハウスでフィルターハウスっぽくなって最終的にフュ…